コンサルをクビになる人は、実際どのようなレベルなのか

コンサル業界

コンサルと言えば、長時間労働やアップオアアウトに代表されるような、ネガティブなイメージを持たれている方も少なくないと思います。こちらの記事(コンサル業界にクビきり(Up or Out)は実存する!その詳細のプロセスとは)でも記載した通り、日本の厳しい解雇規制といった事情もあり、実際にクビになる人はそんなに多くありません。そもそも採用の段階で、複数の面談者がコンサルファームへの適性を検証した上でご入社いただくことを考えれば、バンバン人をクビにするようなファームがあったとしたら、本人のパフォーマンスというよりも採用プロセスかその他に問題があると考えた方が自然でしょう。

とは言え、体感的には3~5%程度の人がパフォーマンス未達としていわゆるPIP(Performance Improvement Program)の対象となり、そこでも改善の余地が見られなければファームを去ることになります。ここで気になるのが、実際にファームを去るような人は、どのような仕事っぷりをしていたかということです。事業会社からコンサルファームへの転職を考える方にとっても、どれくらいパフォーマンスを出せれば生き延びれるのかは、大きな関心事でしょう。そこで、ここではPIPの対象として残念ながらクビとなってしまう人の実際の仕事ぶりについて、見ていきたいと思います。

コンサルタント:言われたことができない

求められる仕事ぶりについては、役職によっても大きく異なるため、役職ごとにPIP対象になりがちな方の特徴を見ていきましょう。まず(新卒での入社直後の期間を除いて)最も下の職位となるコンサルタントにおいては、基本的に上司から「この情報を収集して、このようなパワポやエクセルにまとめてください」といった形でかなり具体的な指示が与えられます。そのため、言われたことができないと、ちょっとコンサルタントとしては厳しいかもね・・・という評価がつきやすくなります。

もちろん、すべてを事細かに指示することはできませんので、指示の中に曖昧な部分があってコンサルタントだけでは解決できない壁にぶつかることもあるでしょう。また、作業を進めていく中で想定外のことが発生し、思ったような成果が得られないことも考えられます。このような時に、求められている仕事の締め切り等を勘案し、適切なホウレンソウを通じてどのように問題を解決できれば良いかが相談できれば、コンサルタントとしてはひとまず及第点ではないかと思います。願わくばある程度の仮説やオプションを提示してくれるとベターではありますが、本記事はPIP対象としてクビになるかどうかということを示すのが主旨ですので、上のレベルは見ないこととします。

また、コンサルタントはマインドセット面の評価も大きいように思います。パフォーマンス面で多少問題があったとしても、上司に食らいついて成長していきたいといった姿勢があれば、いきなりPIPの対象となることは少ないように思います。反対に、(実例として見たことがあるのですが)「自分が言われたことができないのは、プロジェクトに興味が持てないからです」といった、権利を主張するのは義務を果たしてからじゃ・・・?という思考でいる人は、残念ながらPIPも視野に入れられてしまいがちだと思います。

シニアコンサル:言われたことしかできない

ひとつ職位が上がり、シニアコンサルタントともなると、最終成果物のパートをまるっと任せられるようなレベルの仕事が求められます。その中では、成果物の構成を考えたり、成果物を作るためにどのようなタスクが求められるかを立案できること、またスケジュールに落とし込みができること、といったレベルが求められます。そのため、この職位においては「言われたことしかできない=自分で思考ができない」方はPIPの対象としてクビの遡上に上がりがちです。

例えば上司から、成果物の一部分について情報収集を行った上で分析・資料への反映を頼まれたとして、言われた通りの情報ソースにあたって情報収集し、自分なりの視点や自分なりに追加で調べたりしないまま、言われた通りに資料へ反映する・・・といった仕事ぶりだと、残念ながらシニアコンサルタントとしての期待値を満たせているとは言えません。成果物全体の内容から任されたパートの位置づけを正確に理解し、より価値を高めるためには追加でこのような情報やページが必要ではないかと仮説を持ち、実際に行動して上司に提案する、といった動きができなければ、シニアコンサルタントとして生き残っていくのは難しいように思います。

また、シニアコンサルタントくらいから、マインドセットで何とかなるというステージからの卒業が求められるように思います。そのため、上司への人受けでこれまで昇進できた方でも、この辺りから上りづらくなる・・・パフォーマンス次第ではPIP対象になりかねない・・・といったのが、シニアコンサルタントという役割の特徴かなと思います。

マネージャー:売れない・プロジェクトを任せられない

マネージャー以上となってくると、基本的にはパフォーマンスベースでの評価がなされます。すなわち、売り上げ数字を作れるかどうか、またプロジェクトをまるっと任せられるかどうか、という点です。

ファームやチームの方針によっても異なりますが、多くの場合この2つの要素を必ず両方満たさなければならない、という訳でもないように思います。例えばプロジェクトデリバリーはいまひとつでも売り上げはめっちゃ上げるという人や、売り上げは作れないけどプロジェクトを任せれば合格点でのデリバリーは確実にできる、といった人は、PIPの対象としてクビになるケースはほぼ無いと思います。言い換えれば、この2つが両方ダメ、という方はクビ候補として上がりやすくなります。

入社時の職位は慎重に検討を

以上で見てきた通り、職位によって求められる仕事のレベルが異なり、それらを満たせないとクビ対象になりかねません。事業会社からコンサルティングファームへの転職を考えている方へのアドバイスとしては、幸いにも転職活動の結果オファーがもらえた時に、オファーの職位にはぜひ敏感になっていただきたいと思います。上記でご説明したような基準を、入社後に満たせそうでしょうか?せっかくキャリアアップの手段としてコンサルに入ったのに、フィットせずに叩き出されてしまっては元も子もありません。もし自身が無いようであれば、ひとつ下のランクで入社したい旨を伝えることもひとつの手段ではないかと思います。

また、信頼できる転職エージェントにも、入社後にちゃんとパフォーマンスを発揮できそうか腹を割って相談してみましょう。経験豊富なエージェントであれば、どのファームのどの職位の人はどれくらいの仕事レベルが求められるという感覚値を持っていますので、客観的な立場でアドバイスをくれるはずです。

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