コンサル大量採用は本当に悪なのか?個人のキャリアに与える影響とは

コンサル業界

デロイトが5年後に1万人への大増員計画中!というコンサルの大量採用を象徴とするような記事が出てきました。私の観測の範囲では、キャリアアドバイザー的なツイッターアカウントがこぞって「大量採用のコンサルに今から行くのは悪手」という批判的な投稿をしているように思えます。

しかし、大量採用時代のコンサル業界に今から飛び込むことは、本当にデメリットしかないのでしょうか?そもそも、コンサル業界が大量採用していることによる個人のキャリアへのデメリットというものは存在するのでしょうか?

大量採用=コンサルのコモディティ化?

大量採用に対する批判として、もっともメジャーなのは「大量採用によって、コンサルがコモディティ化し、転職市場における価値が下がる」というものではないでしょうか。現役コンサルタントや卒業生の増加によって、コンサルが珍しいものではなくなる、という点はなるほどその通りだと思います。しかしこの主張の大きな間違いは、コンサルの市場価値はそもそも「コンサルタント」というステータスにあった訳ではないという点です。

コンサルタントが世の中でも珍しい存在だった時代において、あなた自身が事業会社の採用可否を決める役割を担っている場面を想像してみてください。あなたの会社に応募してきたコンサルタントの候補者を、ただ「コンサルタントだから」という理由で採用するでしょうか?書類面接の段階では「ロジカルシンキングとかは強いんだろうな」という予測はできたとしても、実際に採用するかどうかは採用したい人材像(スキル面・パーソナリティ面含む)に合致しているかどうかを面接で判断して合否を決めることになると思います。

つまりコンサルタントという仕事が珍しいかどうかというのは、転職市場において評価されるものでもなければ、評価を落とすものでもないのです。転職市場において、コンサルタントという仕事の中でどのような経験やスキルを積んできたかが評価される、と言う点は10年以上前から変わっておらず、業界の行く末どうこうという話とは無関係だと思います。

コンサル業界の平均レベルが下がる?

コンサル大量採用に関する批判の中には、コンサル業界の平均的な人材レベルが下がることに関する言及も見られます。組織が大きくなれば大きくなるほど、組織マネジメントや人材育成にかかる手間暇や負荷は当然上がりますから、この主張は一見正しいようにも思えます。

しかしこの主張が正しいとしても、コンサル業界の平均レベルが下がることにより、個人のキャリアにどのような悪影響を与えるのでしょうか?コンサルに仕事を依頼する発注者側にとっては、コンサルタントの平均的な質が下がってしまうと、「ハズレ」を引かないように気を付けなければならないという意味では悪影響と言えるでしょう。しかし、コンサルタント個々人を主語に取ると、平均点が下がった所で悪影響は無いのではないでしょうか。むしろ平均点が下がれば、何もしなくても相対的な自身の評価は上がる訳ですから、メリットともいえるのかも知れません。

また、そもそも大量採用によってコンサルタントの平均的な人材レベルは本当に下がるのでしょうか?規模の大きな組織をマネジメントすることの難しさは誰しもが百も承知で、そうならないように予め手を打っておくのは事業会社もコンサルファームも同じです。もちろんそれら打ち手がうまく機能しないという可能性は大いにあり得ますが、考え無しに組織拡大に突っ走っている訳ではないということは理解すべきでしょう。加えてコンサルタント個人にとっては、組織マネジメントのトライアンドエラーから学びが得られるチャンスが増えるわけで、経験の機会と捉えた方が健全ではないかと思います。

大量採用による明らかなメリットとは

悪手だ愚かだと批判されがちな大量採用ですが、シンプルで大きなメリットがあります。それはポストが増えるということです。組織が大きくなれば、マネジメントの役割もより多く必要とされ、昇進のチャンスも増えます。逆に組織のサイズが変わらなければ、辞める人が出てこない限りポジションの空きが発生しませんから、椅子取りゲームの難易度がぐっと上がります。

転職者が多いコンサルファームでは、人がすぐ辞めるから別に関係ないのでは?と思われるかも知れません。しかし、少し前のとある総合コンサルファームでは、特定の職階に人が溜まりすぎて昇進が非常に難しいことが業界内では有名でした。また別のブティックファームも組織のサイズが変わらないこと、またマネジメント層が居心地の良さから辞めないことで、マネージャーへの昇進がしづらいと言われています。そして昇進ができないことに不満を持ったコンサルタントが他のファームに転職していきます。かくして、離職率は高いが上のポジションも空かない、という現象が発生するのです。

これまで見てきた通り、大量採用が悪手という主張は案外根拠が薄弱なものであり、また組織が大きくなることのメリットというのも意図的に無視しているように個人的には思います。この記事が事業会社からコンサルティングファームへの転職を考えている方の参考になれば幸いです。

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