コンサルファームの人事評価の建前と本音

コンサルの働き方

コンサルタントの世界は、時に職人的と言われたり、社内転職を繰り返すような仕事と言われたりと、普通の事業会社と大きく異なる部分が多々あります。そのひとつが、人事評価です。プロジェクトベースで働くが故に、事業会社とコンサルティングファームの人事評価は、運用面で大きな違いが出てきます。

では、実際にコンサルティングファームでは人事評価はどのように行われるのでしょうか。

人事評価の仕組み自体はそれほど変わらないが・・・

大前提として、人事評価の仕組み自体は事業会社もコンサルティングファームもそれほど変わりません。コンサルタントやマネージャーといった職位ごとに、それぞれどのような仕事をすべきか・どのような役割が期待されているかという定義がなされており、それらの指標に基づいて何段階かで評価されます。また、それ以外にもMBOと呼ばれる「期初に定量的目標を立てて、期末に達成度合いを評価する」という仕組みを運用していることもありますし、また流行りのノーレーティングを導入しているファームもあります(ここでは、それぞれの人事制度・人事評価の仕組みの詳細には立ち入りません)。

では一般的な事業会社と何が異なるかと言うと、評価する人がコロコロ変わる可能性が高いという点です。コンサルタントたちはプロジェクトベースで働いていますが、プロジェクトメンバーを評価するのはプロジェクトを統括・管理するプロジェクトマネージャーです。そのため、数年単位の長期的なプロジェクトや、よほど同じプロジェクトマネージャーと同じ案件が連続するといった状況にならなければ、1年間に複数人からの評価を受けるということも珍しくありません。

評価者がコロコロ変わることのメリット・デメリット

では、コンサルファーム特有の「評価者がコロコロ変わる」という点は、実際に人事評価にどのように影響を及ぼすのでしょうか。分かりやすいデメリットとしては、失敗したときの評価がシビアになりがち、ということがあります。中長期的に仕事をしていればある程度信頼関係が築けるため、ちょっとやそっとの失敗で評価が一気にマイナスとなることは考えづらいでしょう。しかし、ほとんどはじめましての状態から一緒に働く人が、プロジェクト開始早々に何かしらのミスをしてしまうと、プロジェクトマネージャーからの見栄えは当然よくありません。一回のミスで人事評価がいきなり低くなるということは無いにせよ、中長期的に同じ人と働く際にあった「過去の積み上げ」でカバーされないことはデメリットに違いありません。

一方メリットとしては、過去の人事評価に引きずられることなく真っ新な状態で評価してもらえるということがあります。たまたま苦手分野の仕事にアサインされたとして、評価があまり芳しくなかったとします。しかし次のプロジェクトで、別のプロジェクトマネージャーとの仕事が始まれば、新しい仕事のみで評価されますから、挽回もしやすいと言えるでしょう。

注:とはいえ、よほど卓越した人や、逆に特に評価が低い人はファーム内でも評判が駆け巡りますので、この限りではないことがあります。

「カウンセラー」はどこまで人事評価に影響するのか

評価者が定期的に変わるということで、中長期的なキャリア育成に悪影響が出るのでは?と考える方もいらっしゃるかも知れません。そのような弊害を予防するために、多くのファームでは「カウンセラー」制度を導入しています。このカウンセラーという仕組みは、特殊な事情が無い限りは数年単位で同じ人が担当となり、中長期的なスキル育成やキャリア育成について相談できるというものです。毎期の人事評価についても、プロジェクトマネージャーから各カウンセラーに共有され、その結果をもってスキル・キャリア上のアドバイスをするということもあります。

このような役回りから、人事評価にはカウンセラーが大きな権限を持っていると勘違いされがちですが、評価をするのはあくまでプロジェクトマネージャーです。カウンセラーには、プロマネが付けた評価を変える権限は一切持っていません(よほど辛口・甘口評価だった場合を除く)。また、プロジェクト運営に対しての不平不満はカウンセラーに相談すれば良いと考えるメンバーも後を絶ちませんが、カウンセラーは各プロジェクトに対して堂々と物申す権限も持っていません。せいぜいプロマネとMtgを持って「こんなことを言われていますが、大丈夫ですか?」と問いかける程度です。

これはカウンセラー制度が形骸化しているという意味ではなく、各プロジェクトにおける評価や日々の仕事ぶりに対して責任を負うのはプロジェクトマネージャーであり、カウンセラーは中長期的な視点でのサポートと役割が分かれているに過ぎません。しかし、特に事業会社出身の若手コンサルタントは、カウンセラーは評価者と同等の人と勘違いすることが多いように思うので、注意が必要な点です(もちろん、カウンセラー制度をきちっと説明していない場合は本人というより周りに問題があるのですが・・・)。どうしてもプロマネには言いづらい相談事や、緊急事態といった特殊な状況を除けば、基本的にはプロマネと正面向いてやり取りするのが近道と言えます。

評価の特徴を掴んで「変な減点」を食らわないこと

コンサルファームにおける人事評価の特徴を見てみましたが、重要なのは仕組みを知ることで変な減点を食らわないことだと思います。変に取り繕って加点を得ようとすると周りに見透かされて逆効果になることもありますが、そこまでせずともつまらない所で減点を避けるためにできる行動はたくさんあるのではと思います。

例えばはじめて働くプロマネとは小まめにコミュニケーションをとって認識のズレが生じないよう気を配る、求められる期待値や役割は明示的に確認する、といった基礎動作をしっかり行うことで、減点されるリスクは減りますし、徐々に信用貯金が溜まっていけば評価にもプラスに効いてくることでしょう。

何かの参考になりましたら幸いです。


 

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