パワポが作れないのは、絵心がないから…ではない?

コンサルの働き方

ドキュメント作成に悩むジュニアメンバーの相談に乗ると、結構な頻度で「メッセージとして伝えたいことを、パワポでどのように図にすればいいか分からない」と言われます。どうやらそのメンバーは、メッセージが煮詰まっているにも関わらず、絵心が無いからどのようにパワポに落とせば良いかが分からないことが問題だと思っているようです。

しかし、よくよく話を聞いてみると、パワポに落とす前の時点ですでに負けが確定しており、絵心とかパワポとかそれ以前の問題じゃん!ということが往々にしてあります。分かっているつもりでも陥りがちな「パワポ書けない問題」について、考えてみたいと思います。

パワポが書けない=それ以前のメッセージが固まっていない

パワポでもなんでも(このブログでも)、何か物事を伝えるものを作ろうとした時に「(1) 伝えたいこと=メッセージを考える」→「(2) 伝えたいことの伝え方を考える」という順番で考えます。冒頭のメンバーのように、ドキュメンテーションがうまくいかないと悩む人は「いい伝え方が思いつかない」という(2)の問題で躓いているように見えますが、その実(1)何をメッセージとして伝えればいいかが分からないことが結構あります。何を言いたいかが分からないのに、頭を振り絞って伝え方を考えても、妙案など出るはずもありませんよね。

いやいや、時間を使って頭の中で色々と考えてきた訳だから、伝えたいことは分かっている。メッセージが固まっていないはずがない。そう思うのにも関わらずドキュメンテーションの手が一向に進まない場合は、ひとまず紙に伝えたいメッセージを書き出してみてください。その上で、自分が書いたことに5W1Hで質問を入れ続けてください。質問を繰り返す中で、こんな側面が考えられていなかった、ここが煮詰まっていなかったからモヤモヤしていたのか、という気づきがきっとあるはずです。気軽に相談できる同僚がいる場合は、口頭で説明してみるというのもいいですね。その同僚から色々と質問を投げかけてもらい、答えていくうちにメッセージも研ぎ澄まされていくはずです。

メッセージができたら「何を、どの順番で伝えればいいか」を考える

紙に落として考えると、メッセージとして伝えたいことが見えてきます(もしくは、何がメッセージか分からないので、もう少し情報収集せねば、といったアクションが見えてきます)。次の作業は、伝えたい相手に、伝えたいことを理解してもらうために、何をどの順番で伝えればいいかを考えることです。

自分から相手に何かを伝える前は、当然ながら持っている情報量に差があります。伝えたい事柄を理解するための土台となるような情報を相手は持っているか、持っていない場合はどこまでフォローしなければならないか、といったことを想像しながら、何を、どの順番で、というのを整理していきます。方法論にはなりますが、手書きの方が自由度高く考えを整理できるという場合と、パソコンのメモ帳にテキストで打っていった方が早いケースもあるでしょう。私の場合は、それほど難しくない事柄であればパソコンのメモ帳を使い、複雑な事柄を説明したいときは紙に手書きと使い分けています。

ここまでできて、はじめてオレンジのアイコンを叩く

伝えたいメッセージが固まった。伝えるべき要素と順番も分かった。ここまできたら、ようやくあのPのアイコンを叩いてスライドに向き合いましょう。伝えたいメッセージと伝えるべき要素が分かっていれば、あとはそれらを文字やオブジェクトに起こすだけですので、案外さらさらとスライドは出来上がっていくと思います。

もちろん、人の目線の動き(左上から右下に読んでいく)を意識したり、色使い(強調・調和)を意識したりといったテクニカルな問題はありますが、メッセージがしっかり確立されていればこれらは枝葉の問題です。メッセージが分からない綺麗な資料は、メッセージがしっかりしている見た目が雑な資料の足元にも及びませんので、まずはしっかりメッセージを確立するようにしましょう。

ということで、久しぶりにベーシックなスキルについてまじまじと考えてみたのですが、いかがでしたでしょうか。このようにブログにまとめることで、自分の考え方も整理されるのでとても良い機会ですね。何かの参考になりましたら幸いです。


 

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