転職前に理解したい コンサル業界大図鑑

コンサル業界

事業会社に勤める方にとって、コンサルティング業界の全体像を掴むのは難しいかも知れません。コンサルティングファームは形の無いサービスを提供しているために、どのファームが何をしているのかというのが分かりづらく、選考を受ける際にも「とりあえず有名どころから」といった方針になりがちです。

もちろん有名なコンサルティングファームは有名になるだけの理由があるため、方針自体は間違っていませんが、業界全体を理解することで自分に合ったファームを見つけやすくなります。そのため、転職活動前にはコンサル業界の全体像は何となくでも理解しておきたいところです。

では、コンサル業界の全体像はどのようなものなのでしょうか。

業界の代表的な切り口はサービスと地域

各コンサルティングファームをカテゴリ分けする切り口はいくつかありますが、もっとも代表的なものは「サービスの種類」と「地域」の2つでしょう。コンサルティングと言ってもその内容は様々であり、戦略、マーケティング、ファイナンス、サプライチェーン、テクノロジーといったサービスが存在します。それらのサービスをどこまでカバーしているか、というのが一つ目の切り口です。単体のサービスのみを取り扱っていることもあれば、多くのサービスを手掛けているファームもあります。

また地域については、コンサルティングファームが日本国内のみの展開か、海外にも拠点を持っているかという点です。基本的に外資系と呼ばれるような、外国発祥のコンサルティングファームの場合は広大なグローバルネットワークを持っていることがほとんどであり、グローバル案件に携わりたい、グローバルで蓄積されたナレッジを活用したいといった場合にはこのようなファームを選ぶ方が無難です(もちろん国内のみの案件も多数あります)。逆に日本発祥のコンサルティングファームの場合、その多くは日本国内のみに拠点を構えています。ただしグローバル案件に全く関われないということはなく、ファームによっては日系企業が海外現地法人に対して働きかけるようなプロジェクトを手掛ける場合があります(例えば全世界に同一の基幹システムを導入する場合など)。

コンサルティングファームを選ぶ際には、まずどのようなサービスを展開しているファームなのかから確認し、その中でもグローバルファームが良いか国内ファームが良いか、といった順番で見ていけば問題ありません。では、実際にどのようなカテゴリー分けがなされているのでしょうか。

カテゴリ1:戦略系ファーム

サービスとして、企業戦略に関するコンサルティングを行うファームのことを指します。いわゆるコンサルティングファームと聞いて頭に思い浮かべるのは、戦略系ファームであることが多いでしょう。コンサル業界の歴史は戦略系ファームから始まったと言っても過言ではなく、その歴史の長さからも「コンサルティングと言えば戦略」というイメージを持った方も少なくないようです(あくまでイメージの話ですが)。

代表的な戦略系ファームのうち外資系のものは、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ、ベイン・アンド・カンパニー、A.T. カーニーといった面々であり、事業会社の方にとっても名前は聞いたことのある会社が多いのではないでしょうか。日系の戦略ファームとしては経営共創基盤、コーポレイトディレクション、ドリームインキュベータといった会社が挙げられます。

カテゴリ2:総合系ファーム

総合系ファームは、基本的に全部のサービスを提供している会社のことを指します。会社の中ではサービスごとに部署が区切られているのが通例で、ファイナンスに関するコンサルティングを専門に取り扱う部署、サプライチェーンに関するコンサルティングを専門に取り扱う部署、といった部署が並んでおり、入社後はそのどこかに配属されることになります。

さらに細かな分類として、監査法人系とそれ以外と分けることもあります。総合系ファームという括りでは監査法人系もそれ以外も同じなのですが、文化や社内プロセスが異なるためにカテゴリー分けされています。細かな違いをあげていけばキリはありませんが、さしあたって事業会社から転職を考えている方が最も気にする必要があるのは、監査法人系ファームでは私的に株式等の投資を行うことが基本的に許されない点です(不動産投資はOK)。監査法人による監査業務の独立性を担保するための制限であり、入社前に保有している株式があれば、売却する必要も出てくるため、個人的に投資を行っている場合は注意が必要でしょう。監査法人も併設されているファームは一般的にBig 4と呼ばれており(世界的に有名な会社が4つあるため)、デロイトトーマツコンサルティング、PwC(プライスウォーターハウスクーパース)、EY、KPMGといった面々が並んでいます。

監査法人以外の総合系ファームとしては、外資系のアクセンチュア、IBM、国内系のアビームコンサルティング、ベイカレントコンサルティングといった名前があがります。しばしば議論となるのが、監査法人以外の総合ファームはITコンサルティングサービスの比率が高いために、実質的にIT系ファームではないか?という点です。これらのファームは、総合的にサービスを取り揃えているものの、やはりIT系のプロジェクトの比率が高いために、人によってはIT系ファームと捉えることもあるようです。

カテゴリ3:IT系ファーム

読んで字のごとく、IT系のコンサルティングサービスを提供しているファームを指します。その中でも、様々なITベンダーが提供するサービスを中立的な立場でコンサルティングサービスに組み込む会社と、自社が抱えているサービスを中心にコンサルティングを行う企業とに分けることができます。前者の場合、クライアントに合ったITサービスを選定しコンサルティングできるという強みがある一方で、現場では様々なITサービスを扱うことになるため広く浅い知識・ノウハウしかたまらないというリスクがあります。一方で自社サービスを中心にコンサルティングを行う場合、自社のサービスについて高い専門性を持って提供することができますが、クライアントに幅のある提案を行いたい場合はやや不利になることもあります。当然ながら、自社サービスを持ちながらも他社のサービスを提供できるファームもあります。

IT系ファームはさらに裾野が広くなるために例示が難しくなりますが、一例としてはフューチャーアーキテクト、キャップジェミニ、タタコンサルタンシーサービシズジャパン、NTT データ、レイヤーズコンサルティングといった辺りでしょうか。

カテゴリ4:シンクタンク系ファーム

サービスの切り口としてはやや曖昧になってきますが、総合的にコンサルサービスを提供することに加えて、シンクタンク機能も持ち合わせたファームのことを指します。一般的には大手証券会社、メガバンクなどを親会社に持つことが多く、会社の文化としてもいわゆるコンサル的な文化に加えて、それぞれの親会社の文化を足し合わせたようなイメージでしょうか。一例ですが、コンサルティングファームの選考において転職回数が問われることはほとんどありませんが、シンクタンク系ファームになると転職回数が多すぎるというだけで書類選考で落とされることもあります。

代表的なファームとしては、NTTデータ経営研究所、三菱UFJ リサーチ&コンサルティング、野村総合研究所、日本総合研究所、みずほ情報総研といったところが挙げられます。

カテゴリ5:専門領域特化型ファーム

最後は、専門領域に特化したファームです。組織人事系と言えばマーサージャパンやコーンフェリージャパン、医療・ヘルスケアと言えばメディヴァ、グローバルヘルスコンサルティング、といった名前が挙がります。

専門領域においては戦略系・総合系よりも圧倒的な知名度を持つことも少なくありません。ご自身の専門性がしっかり固まっており、それ一本で稼いでいくと決めている場合には非常に適したファームでしょう。逆に専門性をあまり縛りたくない、幅広く経験していきたいといった志向の場合は総合系やシンクタンク系などの方が無難かも知れません。

転職時の業界研究は綿密に

コンサルティングファームはその実態が分かりづらい故、事業会社からの転職時にはとりあえずネームバリューのある所から受けてしまいがちです。しかし、ファームによっても得意不得意が割とはっきり分かれているため、業界研究は綿密に行うことをオススメします。外から見ているだけだとそれぞれのファームの特色は分かりづらい部分もあるため、ご自身でのリサーチに加えて信頼できる転職エージェントのアドバイスも積極的に受けながら研究すると良いでしょう。

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