監査法人系コンサルファームに在籍することのメリットはあるのか?

コンサル業界

事業会社からコンサルティングファームへの転職を考える際、多くの方が「ひとまず大手どころから応募していこう」と考えるのではと思います。戦略ファームへの転職を考えるのであればいわゆるMBB(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ、ベイン・アンド・カンパニー)でしょうし、総合ファームはBig 4(デロイト、PwC、EY、KPMG)、アクセンチュア、アビーム、IBMといった辺りが具体的な候補に挙がると思います。

この中で、企業の成り立ちが少し変わっているのがBig 4です。他社はコンサルティングを生業とする法人を持っているのみですが(会社によってはITの実装のみを行う子会社を持っていることもあります)、Big 4は別名「監査法人系ファーム」とも呼ばれるように、企業の会計監査を請け負う監査法人もグループに含まれています。私自身がファームへの転職活動をしている際は「何かすごそう」くらいの感想しか持っていなかったのですが、監査法人がグループにいることで日ごろの仕事に影響を及ぼすことはあるのでしょうか。Big 4特有の事情について見ていきたいと思います。

そもそも監査法人とは

そもそも監査法人とは、いったいどのような業務を行っている所なのでしょうか。監査法人は会計監査を企業から請け負っており、企業が作成する決算書を、会計士という資格を持ったプロが法律等に照らし合わせて問題ないことを確認・お墨付きを与えるのが主な業務です。

企業が作成する決算書は株価に影響を与える重要な情報であり、悪意を持って改ざんすることは許されません。監査法人が中立的な立場から決算書をレビューすることで、決算書が法律に基づいて正しく書かれていることを保証する仕組みとなっています。

監査法人とコンサルファームの業務は相いれない

ここまで読み進めていただく中で、勘の良い方であれば監査法人とコンサルファームとの相性が良くないことに気付かれたかも知れません。監査法人は中立的な立場で決算書を監査することがお仕事なのに対して、コンサルファームは問題解決を通じてクライアントの企業活動を良くすることが使命です。もし同じクライアントに対して監査業務とコンサル業務を請け負ってしまった場合、果たして監査法人は中立を保てるのか、レビューが甘いものになりやしないか、といった疑念がつきまとってしまいます。

それらを解消するために、監査法人系コンサルファームでは「監査対象のクライアント」と「それ以外」とで提供するサービスを厳密に分けています。監査法人が関わっていないクライアントであれば、基本的には他ファーム同様コンサルファームとしての仕事を思い切り行うことができます。監査対象のクライアントの場合は、監査法人としての中立性を損なうことがない範囲のコンサルティングサービスしか行わないよう制限しています。

実務的にはお互いに色々「めんどくさい」?

では監査法人系ファーム特有の事情が、個々人に対してどのような影響を及ぼすのでしょうか。デメリットとして分かりやすいのは、どれだけお付き合いをしたいと思っている会社があったとしても、監査先であれば一定以上のコンサルティングサービスを行えない点です。また、プロジェクト開始時にも監査先でないかどうかといったチェックや承認取得の事務作業がかなり手間がかかるそうで、アクセンチュアからBig 4に転職した友人はこれら事務作業の煩雑さに驚いたと語っていました。

またよりもっと個人的な問題として、インサイダー取引の予防のためにBig 4ではすべての社員に原則株式・証券等の取引を禁止しているそうです。実質的には不動産投資しかできないため、個人的に株式等に投資をしている人にとってはかなりの痛手となるでしょう。もちろん監査法人系以外のファームでもインサイダー取引がご法度であることは言うまでもありませんが、監査法人としては身から錆を出す訳にはいかないため、このような厳格な措置をとっているようです。

と、コンサルティングファーム側から見たデメリットをご紹介していますが、公平を期すために述べておくと、監査法人側としてもコンサルサービスを抱えていることで監査法人としての中立性を保つことが難しくなったり、コンサル側が独立性に影響を及ぼすようなことをしでかすリスクが増えるというデメリットも持っています。

サービスに幅があるというメリットも

とは言え監査法人系ファームもデメリットばかりではありません。個人レベルでいえば、多彩な人材がグループに所属することで色々な学びを得られますし、プロジェクトの幅も広がります。Big 4に所属する友人は、オペレーションプロセス改善プロジェクトにおいて、会計の専門性も必要だったために監査法人から知見を持った人に参画してもらったことで、プロジェクト品質を高く保つことができたと語っていました。

また会社の視点では、多様な事業ポートフォリオを持てるという大きなメリットがあります。監査法人は比較的固定のクライアントが多く、事業としての安定性は高いのですが爆発的な成長力はありません。一方でコンサルティングビジネスは安定性に欠ける分、成長のポテンシャルが高いという特徴を持っています。事業ポートフォリオとしては理想的な組み合わせと言っても過言ではないでしょう。

どちらが社風に合うかは転職エージェントとも相談を

これまで見てきた通り、監査法人をグループに持つBig 4は独特な性質を持っており、それが社風にも大きな影響を及ぼしています。そのため、Big 4の社風が合うか、他のファームの方が肌に合うかは転職活動を通じてしっかり見極める必要があります。この辺りは業界に詳しい転職エージェントを通じてしっかり情報収集することが重要です。

*****

私自身様々な転職サービスを活用してきましたが、その中でもオススメなのが、【アクシスコンサルティング】さんです。
アクシスコンサルティングさんは各コンサルティングファームとのつながりが強く、転職の検討に欠かせない業界動向や各ファームの最新状況に精通しています。また長期的なキャリア形成の支援をモットーの1つとしており、私自身もアクシスコンサルティングさんとの最初の面談から実際に転職するのは数年後のことでした(その間定期的に情報交換させていただいていました)し、ポストコンサルの転職にも強いため、これからの転職についてもご相談していきたいと考えています。もちろんサービスの利用は無料です。

また、まずは転職のアンテナを立てておきたい、コンサル含めて様々なハイクラス求人を見てみたいという方には、キャリアカーバーへのレジュメ登録もオススメします。

厳選されたヘッドハンターがハイクラス専門の求人を取り扱うのが特徴のキャリアカーバーは、コンサルタントへの転職はもちろんのこと、経営、事業企画、金融、マーケティングといった幅広いハイクラス求人を守備範囲としているため、様々な可能性を探りたい方にぴったりです。私もキャリアカーバーに登録し、様々な求人情報のチェックに活用しています。

まずはキャリア相談をされてみてはいかがでしょうか。

現役コンサルタントの転職支援数、No1!【アクシスコンサルティング】

ハイクラスの転職サービスなら、キャリアカーバー