コンサル未経験からマネージャー入社が危険な3つの理由

コンサル業界

コンサル業界のあるある話に、コンサル未経験でマネージャーとして中途入社した人はかなり苦労する、というものがあります。コンサルタントとして数年働くと、そのような実例を聞かされるのも一度や二度ではありません。一時期はコンサルティング業界の人材不足も深刻だったために、業界未経験者のマネージャー採用は結構な例が散見されました。

コンサルティングファームでは、確かにマネージャー層と、それ未満のスタッフ層とで求められる仕事のレベル感ががらっと変わります。そのため、面接では優秀と評価されたとしても、マネージャーとしての期待値に応えられずに苦労するリスクが付きまといます。では具体的に、コンサル未経験でマネージャーとして採用されることは、なぜ難しいのでしょうか。

現場責任者としてプロジェクト・スタッフを管理しなければならない

3~4人程度の規模のプロジェクトの場合、マネージャーはプロジェクトの現場責任者としてスタッフの管理と、成果物のクオリティを一定レベルに担保することが求められます。もちろん最終責任としてパートナーもプロジェクトに参画しますが、とはいえスタッフのモチベーション管理やタスク管理、そして成果物のストーリー作りやレビューなどはある程度マネージャーが責任をもって遂行する必要があります。10名以上の大きなプロジェクトの場合は、現場責任者はシニアマネージャークラスが担うことが多いのですが、それでもマネージャーには3~4人単位のサブチームの管理が任されます。

このような体制は、言い換えればマネージャー自身はコンサルタントとしての基礎動作(ドキュメンテーション、ロジカルシンキング、プレゼンテーション、クライアントのハンドリングなど)はすでにできている前提で、それらを用いて下のメンバーをリードすることが求められるということです。しかし、業界未経験者の場合、コンサルタントとしての基礎動作ができているとは限りません。

特に事業会社に勤めていて、これまで社内の人としか働いたことがないか、または外部の会社と働く際に常に発注者側に立っていた人の場合、クライアントのハンドリングで躓くことがほとんどです。クライアントからの期待値を見定め、それを達成するためにタスクに分解して下のメンバーに指示出しし、レビューを通じて品質を担保する。契約書以上の仕事が求められた場合には、上位者を適切に巻き込み、クライアントに押し返すか追加予算を確保する。こういったことができずに、クライアントの期待値とは全然異なるアウトプットを指示してメンバーを疲弊させたり、クライアントからの要望を何でもかんでも受けた結果工数が足りずに爆発してしまったり、といった事例には枚挙にいとまがありません。

クライアントへの提案活動で新規案件を取らなければならない

また多くのコンサルティングファームでは、マネージャークラスはKPIとして売り上げ数字を持たされることがあります。コンサルティングファームの提案活動は、クライアントのお悩みに合わせてテーラーメードで提案資料を作成するため、ここでもコンサルタントとしての基礎動作が大いに求められます。また、短い期間で高い品質の提案資料作成が求められるため、かなりハードに働かなければならないこともしばしば。

コンサルファームによっては売り上げKPIによって賞与が連動するようになっており、売り上げの成績が振るわないと賞与も寂しくなってしまいます。憧れの業界で高い待遇を期待して入社した人にとっては、精神的ダメージが大きいとも聞きます。

未経験でも活躍できるような人材とは

しかし中には、事業会社からコンサルティングファームにマネージャークラスで採用されても、初年度からバリバリと活躍するケースが見られます。例えばシステムインテグレーター(SIer)にて管理職か、管理職と同等の経験を積んできたケースでは、コンサルティングファームにおけるマネージャーと同じような働き方をしてきたために、それほど苦労なく順応する可能性が高くなります。個人的にはSIerからITコンサルタントというのは親和性の高い王道のキャリアパスなのではないか、と思えるほどです。

またこれ以外にも、事業会社において超特殊なスキルやナレッジを身に着けており、そのスキルやナレッジ一本で飯が食えるといったレベルであれば、多少コンサルタントとしての基礎動作ができなかったとしても飛び道具要員として活躍することがあります。しかしこれは、コンサルティングファームがこれから開拓したいと思っている業界についてのナレッジに長けていたり、その分野では五本の指に入るといったレベルの高さが求められますので、一般的にはレアケースと言って差し支えないでしょう。

マネージャーポジションのオファーをもらってしまった場合

最近ではコンサルファーム側も、事業会社からの未経験者に対してマネージャーポジションで採用することに慎重になってきていますが、それでもゼロになった訳ではありません。もしあなたが事業会社からコンサルティングファームへの転職を考えており、首尾よくマネージャーポジションのオファーをもらった場合は、本当にマネージャーとして活躍できるかどうかしっかりと見極めてから返事をする方が良いでしょう。場合によっては、ひとつランクを落として助走期間を取っておくというのも結果的にプラスになることがあります。(参考:あえて下げて入る?コンサル転職時の職位の選び方)

その際は、信頼できる転職エージェントに腹を割って相談するのも良いでしょう。エージェントは各コンサルティングファームでどれくらいの仕事のレベルが求められるかを肌感として理解しているため、客観的なアドバイスをもらうことができます。ぜひ参考にしてみてください。

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