コンサルで「メンタルやられて退職」は起こりうるのか?

コンサル業界

事業会社からコンサルへ転職する際に非常に気になるのが、自分が果たしてコンサルファームでやっていけるのだろうか?あまりの仕事の厳しさや激務さに、メンタルを病んでしまい退職に追い込まれてしまうのでは、といった心配です。

コンサルファームは仕事のクオリティに対する期待値が非常に高く、また比較的長時間労働にもなりやすいため、残念ながらメンタルに不調をきたす人も少なからずいます。筆者の身の回りでも、先週まで割と元気にしていたと思っていたのに、月曜の朝に突然体が重くなって出社できなくなった…病院を複数回って最後にかかった心療内科でうつ病と診断された、という同僚を何回も見たことがあります。

あまり愉快な話題ではありませんが、少なからずこのようなリスクがあることを踏まえ、事業会社からコンサルに転職する前に、万が一メンタルをやられてしまった場合にどうなるのかを知っておくことは有用ではと思い、記事にしてみます。

どれくらいの割合でメンタルに不調をきたすのか

実際にどの程度の割合で、コンサルファームに勤める人ががメンタルヘルスに不調をきたすのでしょうか。コンサルファームの中の人にとっても間違いなく「タブー」な話題であり、数字が大っぴらに公表されているといったことはありません。また転職活動時の面接でこのような質問をしても「そんなに多くはありません」と濁されるのが関の山ではと思います(質問自体しないことをオススメしますが…)。

10年ほどコンサルファームで色々な人を見てきた私の推測では、全社的には5%程度ではというのが肌感です。この数字を多いと捉えるか少ないと捉えるかは人それぞれかと思いますが、個人的に怖いと感じるのは、コンサルファームに入社したてという人ももちろんのこと、入社して割と長くやってきてコンサルとしての働き方も生き延び方もしっかり身に着けている人でも、何かのきっかけで歯車が狂うことがある点です。

実際に私も一緒に働いたことがある同僚で、非常に優秀、かつ雑談等から窺い知るプライベート面も充実していた方が、ある日突然メンタルに不調を訴えたことがあります。こういった実例に出くわすと、常日頃から「明日は我が身」と思いながら体調面のケアを怠らないようにしなければと強く思わされます。

メンタルに不調をきたすと、社内的にどうなるのか

では実際にメンタルに不調を訴えたコンサルタントは、社内的にどのような扱いになるのでしょうか。アップオアアウトに代表されるような「弱肉強食」的なイメージをコンサルティングファームにお持ちの方は戦々恐々とされるかも知れませんが、血の通っていない扱いを受けることはありませんのでご安心ください笑

症状を自覚した後に行うのが、上司やカウンセラーへの相談でしょう。症状がそれほど重くなく、現在アサインされているプロジェクトから受ける心労が原因と言った場合には、ほぼ即日でプロジェクトから外れることが一般的です。その後は体調の様子も見ながら(場合によっては労働時間に上限を設けながら)比較的難易度の低いプロジェクトや、社内プロジェクト(社外のクライアントとはやり取りしないため、一般的にプレッシャーが少ない)にアサインされて回復を待つことになります。

仕事に行くことが難しいレベルの症状だった場合は、上司等との相談のうえで数か月の休職に入ることが一般的です。そこで回復の状況を見ながら復職するか、本人の希望等も見ながら転職活動に移るか、といった形になります。この辺りは個別具体の事情も鑑みながら、といった形になりますが、見聞きしているケースでは会社側も求職者にとってベストな選択肢となるようしっかり手厚いケアをしているという印象を受けますし、悪意を持って退職に追い込むといった事例は聞いたことがありません。

メンタルに不調をきたすと、昇進の道が絶たれるのか?

メンタル不調から復帰した後は、どうなるのでしょうか。それだけをもって昇進の道が絶たれるのではといった不安を抱くのも、無理からぬことかも知れません。

まず基本的に、メンタルに不調をきたしたこと自体をもって、昇進や活躍の道が閉ざされるといったことは無いでしょう。しかし考えなければならないのは、不調をきたした時に難易度の低いプロジェクトにアサインされていた期間は、高い評価がつけられるといったことは考えづらいです。また休職期間はもちろん評価対象から外れますし(悪い評価がつくという意味ではなく、評価がされないということ)、おそらくですが休職から復帰してしばらくの間は難易度の低い落ち着いているプロジェクトで様子を見ながら徐々にギアを上げていくことになるのではと思います。その期間は同様に高い評価がつきづらくなるでしょう。

そのため、昇進までの期間が長くなるといったことは十分考えられます。

爆発する前に、周りに相談を

メンタルヘルスの問題は本当に「明日は我が身」ですし、仕事へのプレッシャーが高いコンサルティングファームにおいては常につきまとう問題といっても過言ではないと思っています。もしあなたが見事事業会社からの転職を成功させた暁には、何かあったら(症状となって表に出る前に)すぐに周りに相談していただきたいなと思います。マネージャー陣はメンタルの問題は誰にでもあることは重々理解していますし、きっとあなたの力になってくれるはずです。

メンタルヘルスを病んでしまってもセーフティーネットは敷かれていますが、予防が何よりも大切だと思います。ぜひ心に留めていただき、転職活動をがんばっていただければと思います。