「将来起業するためにコンサルになる」を勧めない3つの理由

コンサル転職

事業会社からコンサルティングファームへの転職や、新卒でコンサルになりたいと語る方の中で、将来起業するためのステップとしてコンサルを目指しているという方が一定数いらっしゃいます。コンサルになる前から辞めることを前提で考えていること自体は全く問題ではなく、むしろ中長期的な出口も見据えながらキャリアを考えていらっしゃるのは素晴らしいことだと思います。

しかし、将来的に本当に起業するのであれば、コンサルというステップはあまりお勧めしづらいと思っています。私自身、コンサルファームを離れた期間に人から頼まれて少しばかり起業に携わってみたり、元同僚が起業したりといった場面を見てきましたが、一度コンサルになることにそれほどメリットはないのではないかと考えています。その理由について見ていきたいと思います。

0→1の起業と、85→100のコンサルタント

起業するためにコンサルをやっとおいた方が良いと考えられがちなのは、コンサルで得られるスキルが活かせることや、経営に関係する仕事を通じて経験値が得られるといったことが理由として挙げられるのでは思います。しかし、基本的にコンサルタントのお仕事は「すでにある程度の品質で回っている経営を、より良くすること」であり、概念的には85を100にするようなものです。これに対して起業は0を1にする行為であり、双方に求められるスキルセットはそれほど重複していないのではと考えています。

経営に関する経験といった部分についても、コンサルティングファームがクライアントとして接するような企業と、これから立ち上げる起業との間には大きな差があります。コンサルティングファームのクライアントは、大企業にしろ中小企業にしろヒト・モノ・カネがすでに揃っている中で経営を続けています。一方で、これからゼロから立ち上げる企業は、ヒトもモノもカネも何もかもありません。コンサルファーム時代に扱っていた「経営」とは環境が大きく異なるために、コンサルファームで得られた経験のエッセンスを活かすことはある程度できたとしても、その経験がそっくりそのまま活かせるとは考えない方が無難でしょう。

いいものが売れる訳ではなく、売れるものが売れる

これはあくまで私が見てきた範囲のお話しになりますが、起業して新しく作った製品やサービスの成否は、その製品・サービスが「いいもの」かどうかではないと思っています。悪い製品・サービスが売れないのは当たり前ですが、例えいい製品・サービスでも売れるかどうかは別問題。変な言い方になりますが、売れる製品・サービスになるためには、必死で営業かけまくって「売らなければならない」と考えています。

新しい会社、新しい製品・サービスに対しては、基本的に信頼やブランディングといったものはありません。それらに対してお金を支払ってもらうためには、製品・サービスが良いものであることを必死に売り込まなければならないのです。もちろん売れるかどうかは良くて五分五分ですから、いわゆる顧客基盤となるようなリードを多数開拓する必要もあります。

新しく作った会社の新しい製品・サービスの、最初のひとつを売るためには、このような努力が必要となります。これを読むと、コンサルのスキルというよりも、営業のスキルの方がマッチしそうに思いませんか?現に(私の観測範囲では)コンサル卒業後に起業した人のうち、上手くいっている人は営業としてもやっていけそうなスキルセットやパーソナリティを持っており、そうでない人はコンサルとして優秀だけれども営業として見ると疑問符が付く人が多いように思います。

コンサルビジネスを立ち上げるならアリ

ここまで書くと、実際に起業した人の中にはコンサル出身者は多いではないかというツッコミを受けそうな気がします。しかし、そのような人たちは、コンサルに入る前から「起業するために一旦コンサルやっておくか」と考えていたのでしょうか。たまたま起業への適性を持っていながらもコンサルになり、そのあと起業しただけというケースの方が多かったりしないでしょうか。ここのところは実際どうなのか私も分かりませんので、ぜひ該当する方のご意見をお聞きしてみたいと思うところです。

また、何事にも例外はありますが、もし将来的にコンサルティングファームと言うビジネスを立ち上げたいと考えているのであれば、ひとまず今あるコンサルファームに入るというのは大いに意味があると思います。本当にそのように考える人がどれくらいいらっしゃるかは分かりませんが、コンサルティングというビジネス自体は体ひとつでできる資本要らずのビジネスで、参入障壁は低いために起業はしやすいです。また、コンサルティングファームに在籍している間にポテンシャル顧客を握っておけば、最初の顧客を見つけるのに苦労することはありません(競業禁止などの規定には気を付ける必要がありますが)。

コンサル後の出口も考えて転職を

これまで見てきた通り、私としては起業を前提としたコンサルファームへの転職や就職はそれほどオススメできないのではないかと考えています。しかし、コンサルファーム後の出口も考えて転職や就職を考えていること自体は素晴らしいことだと思います。コンサルはどんな企業やビジネスでもできる魔法のパスポートでは決してありませんので、出口もしっかり考えた上でいつのタイミングでどのファームに入るべきかを考える必要があると思います。

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