若手のコンサルタントと希望するプロジェクトについて話をしていると、結構な頻度でグローバルプロジェクトに入りたい、英語を使ってグローバルに活躍できるコンサルタントになりたい、といった希望を聞きます。グローバルプロジェクトはステークホルダーも多様になり、必然的に難易度の高くなりがちですが、コンサルたるもの難しいプロジェクトをこなしてなんぼ、という野心を持ったメンバーに囲まれているのは刺激になります。
事業会社からコンサルティングファームへの転職を考えられている方の中にも、やはりコンサルとして働くのであればグローバルプロジェクトに入りたい、そのために英語を勉強している、といった方も多いように感じます。しかし、グローバルプロジェクトは国内プロジェクトと比較すると少ない一方、希望者が多いために倍率は高くなってしまいます。そんな中で、グローバルプロジェクトへのアサインを勝ち取るには、どうすればいいのでしょうか。
コンサルファーム内での自分ブランディングの重要性
「実は属人的？コンサルのプロジェクトアサインの基準とは」に詳しく記載した通り、コンサルファーム内でのプロジェクトのアサインは、基本的に人を募集しているプロジェクトと手の空いている(もしくは近い将来空きそうな)コンサルタントとを突き合わせて決めていきます。大体の場合はアサイン会議に出ているマネージャー以上から、各コンサルタントの得意分野や今後希望するプロジェクトについての情報が出され、募集プロジェクトとマッチングしていく属人性の強いプロセスになっています。
そのため、コンサルティングファームにおいてはいかに自分のブランディングを確立するかが非常に重要です。アサイン希望やキャリアパスの相談相手となる「カウンセラー」はもちろんのこと、他のマネージャー陣に対してもどのようなコンサルタントになっていきたいか、ということをしっかり認識してもらうことで、希望するプロジェクトへのアサイン確率が高まっていきます。一度「グローバルプロジェクトの人」という認識がチーム内に生まれてしまえばしめたもので、以降は黙っていてもグローバルプロジェクトが舞い込んでくるようになります。
やる気だけではなく、できることのアピールも
ファーム内で自分のブランディングをしていく際には、希望ややる気の表明はもちろん重要ですが、できることのアピールも欠かせません。事業会社出身の方を見ていると、謙虚が美徳と考えているのか、自身が何をできるかというのを極端に過小評価したり、表立って言わなかったりする傾向があるように思います。もちろん一定の謙虚さは人づきあいの上で重要だと思いますが、行き過ぎてしまうとマネージャーからは「仕事の上で何ができるんだろう＝アサインすることのメリットが見えない」と思われてしまいかねません。
マネージャーがコンサルタントをプロジェクトにアサインする際、キャリアの希望も最大限考慮したいのですが、同等かそれ以上にプロジェクトを成功させるために必要なケイパビリティを持った人かというのが気にかかります。ケイパビリティが不足しているアサインが原因でプロジェクトが失敗してしまったら元も子もありません。そのため、ご自身ができること、過去に経験したことは、しっかり自信を持ってカウンセラーや周りのマネージャーに伝えていくことが重要です。
具体的には、事業会社での海外グループ会社とのプロジェクト経験といったものがあればベストです。そのような経験がない場合、少なくとも英語力を数字で表しやすいTOEICなどの勉強に力を入れ、会社に保有スキル申告フォームなどがある場合はそこに点数を入れておくだけでもだいぶ変わってくるのではと思います。
ファーム選びは慎重に
もちろん、いかにグローバルプロジェクトで活躍できる能力を持っていたとしても、ファームでグローバルプロジェクトの受注が非常に少ない場合は宝の持ち腐れとなってしまいます。ファームでのグローバルプロジェクトの受注は、日本におけるグローバル人材の数と質や、海外ファームがある場合はそことの連携といった要素に左右され、グローバルプロジェクトに強いファーム、弱いファームはくっきりと分かれます。その辺りは、コンサルティングファームの内実をよく知っている転職エージェントを活用して情報収集することが有効です(面接の際の逆質問などで聞いても、対外的に映える回答が返ってくる可能性が高いと思います・・・)。
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