転職口コミサイトでの辛口評価をどのように考えるべきか?

コンサル業界

今やすっかり市民権を得ていると転職の口コミサイト。事業会社からコンサルファームへの転職を考えている方も、応募の前にそれぞれのコンサルファームへの口コミを見て、社風や待遇といった情報を確認・比較されているのではと思います。

しかしそのような口コミサイトを見ていくと、必ずと言っていいほどあるのが結構な辛口評価です。平均点がどれほど良いコンサルファームでも、中には「転職をオススメしない」とまで言い切るコメントも見られます。このようなネガティブなコメントについて、どこまで信じても良いのでしょうか?

実際によくある辛口評価の内容

転職口コミサイトでは、実際にどのような辛口評価が書かれているのでしょうか。会社の規模が大きく、レビュー数も多いアクセンチュアの評価について、あえて低評価のレビューをフィルタリングしてみてみるとこのようなコメントが寄せられています。

  • 評価が属人的で、社内政治が上手い人のみが昇進している
  • システム導入プロジェクトのテストフェーズばかりを担当させられており、コンサルタントとしての学びは得られない
  • 離職率が高く、会社としてのカルチャーを醸成できていない。人材を大事に扱っていない印象を受ける

(複数の口コミサイトから、加筆修正のうえで掲載)

アクセンチュアに限らず、どこのファームも何かしらのネガティブな意見が寄せられているのが事実。このような悪評を見てしまうと、転職へのモチベーションも薄れてきそうですが、一方でこの会社に入ってよかった!というコメントを見ると、どちらを信じればいいのか分からなくなってしまうかも知れません。

悪評を書く「コンサルタント」の社内での姿

ここで考えたいのが、転職サイトに辛口の批判を書くコンサルタントが、実際に社内でどのようなポジションにいる人なのかという点です。あくまで私の観測範囲での経験則となりますが、ファームに対して大きな不満をもっているコンサルタントは、はっきり言ってファームで活躍ができていない人が少なくありません。希望するアサインができなかった・・・という不満の裏には、その人自身の実力が足りずに希望するプロジェクトへのアサインが叶わなかった、ということが往々にしてあるのです。人事評価に対する不満を持っている人についても、評価結果自体が高くない人の方が持ちやすい不満であることは想像に難くないでしょう。事実として人事評価の運用面である程度の欠陥がある可能性もなくはありませんが、名の通ったコンサルティングファームであればそれなりにしっかり運用されていることがほとんどです。

社内政治といった点についても、いかにドライなコンサルティングファームと言えど、人が何人も寄り集まって組織を作っている以上、多かれ少なかれ政治からは無縁ではいられません。むしろそのような組織の力学も理解しながら、うまく立ち回って望む結果を得るようなスキルを持てなければ、社内政治にがんじがらめになったクライアントの支援なぞできるはずもありません。

良い話も悪い話も、ある程度割り引いて見ること

もちろん、コンサルティングファームに対する悪いレビューは不満たらたらの人が書いた戯言である、と言うつもりは一切ありません。しかし、そのようなレビューを書く人の背景まで想像すると、ある程度「割り引いて」見る必要があると言えるでしょう。

さらに言えば、良いレビューというのもコンサルティングファームが天職だ!という人が書いた、あまりにも楽観的な意見である可能性もあります。もちろん転職を考えているあなた自身にとって、コンサルティングという仕事が天職であり、レビュワーと同じような何一つ不満の無い素晴らしい経験ができる可能性もありますが、すべてがうまくいくと考えることは現実的に楽観的過ぎるでしょう。そう考えると、良すぎるレビューというのも少し割り引いて考える必要があります。

特に転職を考えている時期は、今の会社に多少なりとも不満を持っているか、コンサルファームへの憧れを持っているかのどちらかであることが多く、バイアスが非常にかかりやすい状態です。転職口コミサイトのレビューは注意深く参考にすることをオススメします。

信頼のおけるエージェントを見つけることの重要性

そういった意味では、各コンサルティングファームの良い部分・悪い部分も含めて客観的に教えてくれるような、信頼のおけるエージェントを見つけることが非常に重要です。コンサルティングファームとのつながりが強い転職エージェントであれば、数多くの現役コンサルタントと定期的に情報交換をしているため、ファームごとの特徴を非常に詳しく理解しています。そのようなエージェントからの情報もあわせて、ご自身にあったファームを探すことをオススメします。

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