コンサル業界は「やさしく」なったのか?ここ10年間の業界の変化とは

コンサルの働き方

某コンサルティングファームが、採用広告のキャッチコピーで「やさしい、コンサル」と謳ったことについて、身の回りで波紋を呼んでいます。広告では「コンサル業界は、プレッシャーが力を生み出すなど、厳しさを当たり前にしてきた。しかし、あたたかいチームの関係性がより良いプレゼン資料につながるなど、やさしさが成果につながるのではないか」という主張がなされており、これについてコンサル大量採用時代に順応するためのもの、業界そのものが変化しているなどなど、様々な意見が飛び出しています。

この業界に足を踏み入れた10年以上前の環境を思い返すと、良い悪いは別として確かに「やさしい、コンサル」というキャッチコピーが示す通り職場環境は大きく変化してきたなぁと思います。あくまで私個人の経験談と、同じくらいの業界歴を持つ友人から聞いた話が中心となりますが、コンサル業界がどんな変化をしてきたのか、まとめてみたいと思います。

長時間労働前提から、スマートな働き方へ

私が業界に入りたての頃は、長時間労働はコンサルにとって当たり前のものであり、それができない者はコンサルに向かないからさっさと辞めた方が良いとまで言わんばかりの風潮でした。大炎上プロジェクトにアサインされて最も忙しい時期には、120~140時間/月の残業時間は割と「当たり前」扱いで、160~180時間/月辺りでようやく「お、忙しくしてるね」という認識でした。そのような環境にいると不思議と「長く働くことこそ美徳」という考え方につながっていくのか、パワポの一言一句を朝方までかけてレビューする、大量の単純作業は徹夜で何とかする、といった場面も日常的にありました。

近年でも、プロジェクトの難しい局面では月あたり100時間を超える残業というのは無くはありません。しかし残業に対する認識は大きく変わっており、一時的なものなのか恒常的なものなのか、後者であればタスク量を適正化するために打てる手はないのかと、積極的に対策を考える風潮が根付いていると感じます。また長時間労働で品質を無暗に追及するのではなく、スマートに働いて成果を残していくという考え方もより一般的になっていると思います。

上意下達のヒエラルキーから、横の関係へ

私は事業会社からコンサルティングファームに移ってきた転職組なのですが、転職後に一番驚いたのが業界の「体育会系」的な気質でした。仕事の性質上、徒弟制度的な「師匠について学んでいく」という仕事のスタイルになることはある意味自然ではあるのですが、その枠を超えてヒエラルキーを感じる場面がとても多かったように思います。例えば、上位職の方が時間単価が高いのだから、手を煩わせることのないよう最大限配慮せよといった指導は何度もらったか覚えていません。もちろん指導内容に一定のロジックはあるとは思いつつ、今振り返ると上位者とのやり取りはかなり緊張感を強いられるものだったと思います。

今もそのようなマッチョなコミュニケーションスタイルを取る人もいないではないのですが、それでもやはりメンバー全体をエンパワーしていくスタイルを取るべき、という風潮が広がっているように思います。実際問題、マッチョなスタイルで育ってきてしまったが故に、なかなかマネジメントのスタイルを変えられないという悩みを持つシニアマネジメントメンバーもいたりいなかったりしますが、少なくとも全体の風土は大きく変わってきたと思います。

コンサルは使い倒すものから、パートナーへ

クライアントから見た時のコンサルファームについても、ここ10年で大きく変わっているように思います。以前は金曜の夜に「月曜あさイチまでに資料仕上げておいて」という指示を飛ばすといった、人を人と思っていないような仕事の依頼もそんなに珍しくありませんでした。

しかし、近年クライアント社内での働き方改革が浸透した結果、付き合うサードベンダーや社外のコンサルタントに対しても無茶苦茶な稼働とはならないような配慮がなされるようになってきたと思います。もちろん無茶ぶりがゼロではありませんが、その場合もどうしても対応せざるを得ない状況に限られているように思います。


これまで見てきた通り、ここ10年間でコンサルティングファームも「やさしい」方向に進んでいるのかも知れません。その中でクライアントワークの質を担保することがより難しくなっているという指摘もある一方で、逆行して昔のような風土に返っていくということは考えづらいですから、現役のコンサルタントにとってはこの変化とどう向き合っていくかが求められるのではと思います。また他業種からコンサルティングファームの門を叩く人にとっては、敷居が低くなってきていると感じる場面もあるのではと思います。何かの参考になりましたら幸いです。

※本記事は著者の個人的な経験や身の回りの人の体験談に基づいており、広く一般的に適用されるものではない点はご理解ください。


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