仕事の上で高い評価を得たいというのは、誰しもが願うことです。そのためにはスキルをつける、良いアウトプットを出すよう努力をするという人は多くいると思いますし、それらは非常に重要なのですが、実力さえあれば高い評価が得られるのでしょうか。
実際には仕事上の評価は、下記のように2つの要素の掛け算で決まってくるように思います。
評価 = 実力 × 見せ方
事業会社からコンサルティングファームに転職してきた人の中には、コンサルファームは実力主義だから実力さえあれば評価されると思っている方も少なくありません。ここでは、高い評価を得るための「見せ方力」について考えてみたいと思います。
「実力だけで評価される」という幻想
例えば、初めて一緒に働くマネージャーから、3日後が期日の仕事を振られたとします。実力だけで評価される世界であれば、3日後の仕事のアウトプットの品質のみで評価されることになりますが、アウトプットだけで評価されるからと3日間一人で籠って黙々と作業して提出したらどうなるでしょうか?
仕事ぶりを評価する側のマネージャーからすると、途中経過が見えないと正しい方向に進んでいるのか、3日後に期待する仕上がりの成果物が出てくるのかと不安に感じることでしょう。例え3日後の成果物が期待通りだったとしても、次回も同様に良い成果物を出してくれる保証はどこにもないため、満点の評価を付ける気にはなれないかも知れません。このように、実際には、成果物に至るまでの道筋が安心感あるものかどうか、という点も含めて評価されるのです。
もしかすると、中間レビューを設定するのはマネージャーの責務でしょ、という反論が飛んでくるかも知れません。それ自体は半分正しく、3日後の仕事を振っておいて3日間放置するマネージャー自身、あまり褒められたものではありません。しかし、中間レビューを自ら設定して仕事の道筋を見せてくれるメンバーとそうでないメンバーがいたとして、実力が同じであれば前者の方が高く評価されやすいのではないでしょうか。
媚びを売るのではなく、正しく理解してもらう努力
このような「見せ方を上手くする」という話になると、しばしば「上司に媚びを売りたくない」といった趣旨の反論を受けます。しかし、何も上司に気に入られるためにおべっかを使え、という話をしている訳ではありません。
コンサルティングファームと言えど、仕事自体はチーム戦です。チームとして仕事をする以上は、お互いに信頼し合って仕事を進めていくことが重要であり、そのためには仕事のプロセスを可視化していく必要があります。お互いに「ちゃんと期待通りの仕事をしてくれるのかな?」と疑心暗鬼になっていては良い仕事ができませんし、手の内を隠し合っていては信頼感など生まれるはずもありません。見せ方力とは、言い換えると「チームとして円滑に働くために、あなたの仕事ぶりを正しく周りに理解してもらうこと」ということなのです。
もちろん、有無を言わさないほどの圧倒的なアウトプットが出せるのであれば、見せ方力など考えなくても良いかも知れません。しかし、百発百中で上司のレビューを一発で通し、なおかつクライアントを唸らせるアウトプットが出せるような天才的な人は、おそらく100人に1人もいません。もちろんそのような人を目指す、アウトプットの品質を高める努力をするということ自体は素晴らしいことですが、現実的に日々の仕事をしていく上では、見せ方力も最低限身に着けていく必要があるのはご理解いただけるのではないかと思います。
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