転職を考えている際に、今後の人生設計との兼ね合いを考えない訳にはいきません。その中で真っ先に気になるのが、出産や育児といった子供のトピックでしょう。
以前からも話題に上っていた、女性が産休・育休を取る・取った後のキャリアといったトピックに加えて、共働き世代の増加に伴い近年では男性が育休を取りやすい会社かどうか?といったことも大いに気になるポイントだと思います。ここでは、コンサルティングの現場目線で、産休取得後のキャリアや、育休取得のしやすさについて見ていきたいと思います。
プロジェクト単位での仕事が好影響?
コンサルティングファームのお仕事は、基本的にプロジェクト単位となります。短ければ1か月、長ければ数年、平均的には3か月~6か月程度のプロジェクトをこなしていきます。プロジェクトが終わってしまえば、定常業務としてやることはほとんどありません。そのため、プロジェクトの終わりさえ合わせられれば、産休や育休、その他の長期休みも取りやすいのがコンサルティングファームの良い部分です。
定常的な仕事がある事業会社であれば、産休・育休中に誰に仕事を担当してもらうかといった調整や、産休・育休明けにどのような業務に就くか(場合によっては別の仕事の担当になったりしないかどうか)といったことを考える必要があるでしょう。しかしコンサルティングファームの場合、そのような心配は不要です。年単位となる長期的なプロジェクトの場合でも、きちんと期間に余裕をもって相談しておけば交代要員に引き継ぐことができます。
フレキシブルに働ける環境
また子供ができてから、急に子供が体調を崩してケアしなければならないといった状況に対して、どれくらいフレキシブルに対応できるかが気になる所でしょう。
コンサルティングファームの多くはフレックス制度を導入しており、勤務時間を柔軟に調整することができます。クライアント先のプロジェクトルームでは、小さなお子さんを持つマネージャーが「子供のお迎えあるから一旦帰ります」と言って会社を後にし、しばらく経って家からまた仕事を再開するというケースも日常茶飯事で見られました。またお子さんを持つ人の予定表には、朝と夕方に「子供のお迎え」という予定でブロックされているのもよく見られます。最近ではクライアントとの会議もリモートで対応するケースが増えてきたため、より柔軟に対応しやすくなっているのではと思います。
コンサルティングビジネスは、在籍しているコンサルタントが商品であり、優秀な人材をきちんとリテンションすることはビジネスの存続に直結します。最近は人材の獲得競争も厳しくなっていますので、出産や育児といったライフイベントによって人材が流出することのないよう、ファームとしても力を入れてケアしようとしているのではと思います。
男性コンサルタントの育休取得者も増えている
またこれはあくまで肌感ではありますが、男性コンサルタントの育休取得者も珍しいものでは無くなってきたと感じます。私の身の回りでは、これから子供が生まれてくるために育休を取る計画を立てている同僚や、奥様と時期をずらして育休を取得し子供のケアにあたった上司がいます。コンサルティングファームが、ライフイベントとの折り合いをさらにつけやすい職場になっていくといいなと思います。